O-157をご存じでしょうか。この名前が世間に知られるようになったのは1996年に起きた集団感染の時からではないでしょうか。
それ以降今でもなくなった訳ではないのでニュースになる度不安になります。
乳幼児や小学生のお子さんや高齢者の方がいるお家は特に気をつけたいですよね。
知らないから不安になると思うのでO-157がどういう物なのか知っておきましょう。
O-157とは
O-157は『病原性大腸菌O-157』という名前でベロ毒素と呼ばれる強い毒素をつくる代表的な病原性大腸菌で、おヘソから下腹部にかけて激しい下痢や嘔吐などの腸炎を起こすものです。
病原性大腸菌O-157の潜伏期間は4~9日です。他の感染症と比較しても、とても感染力が強いと言われていますし他の食中毒よりも長いのが特徴です。
また、感染源が特定しにくいのが特徴でやっかいです。他に発熱する事もあり、はじめの段階では風邪と間違えやすいので注意が必要です。
他の食中毒菌は普通100万個以上ないと発症しないところを病原性大腸菌O-157は、わずか100個くらいでも発症すると言われていて実証もされています。
はじめは腹痛でそのうち水のような下痢で発症します。ひどい時は鮮血が混じる出血性下痢と激しい腹痛などの症状をごく一部の人が起こしたりします。通常は発症してから4~8日で症状が軽くなりますが
溶血性尿毒症症候群を起こしてしまうと重症になってしまい、体の抵抗力の弱い乳児や幼児、児童の子供や高齢の方は腎臓や脳などに重い障害が残ったり、ひどい時は死に至ることもあるほどです。
溶血性尿毒症症候群とはベロ毒素が腸の粘膜を壊します。そして血液の流れにのって赤血球や血小板を壊しながら全身を回り腎臓や脳などに重大なダメージを与え、ひどい時は死に至る場合もあります。
O-157にかかっても成人で抵抗力の強い人ですと大して強い症状も出ないで数日で自然にに治癒してしまう場合もあります。
病原性大腸菌O-157は口から感染するので気を付けましょう。また少しの量でも感染しますし、お風呂や同じタオルを使用するなど人から人へ感染してしまうこともあります。
菌の繁殖を防ぐために食べ物を冷蔵庫や冷凍庫に保管しますが、O-157は低温にはあまり効果を発揮しません。しかし熱に弱いので75度以上で1分間加熱することにより完全に死滅します。
お肉は良ーく焼きましょう。
まとめると
●強い毒性
●強い感染力
●口から感染する人から人へ感染する
●少ない菌で発症する
●潜伏期間が長い。1週間前後はあるので10日間は警戒が必要
●熱に弱い
●抵抗力の強い人は自然治癒してしまう場合がある
O-157に気をつけるための予防策や対策
水のような下痢や血も混ざる下痢が何日も続いた場合や、あきらかに変だと感じたら速やかに病院に受診しましょう。
お家の食事でも発生してしまう事があるので十分注意しましょう。
食中毒予防の3原則があります。
●菌をつけない
●菌をふやさない
●菌を殺す
☆キッチン・キッチン用品に関して
○キッチンやキッチン用品は清潔にしておきましょう。
○包丁、まな板は良く洗いましょう。私は熱湯消毒をしています。アルコール除菌などの消毒薬で消毒しましょう。日光消毒も良いと思います。
○食器や調剤器具も洗剤で良く洗い、良くすすぎます。熱湯をかけるのも効果的です。水分を良ーく拭き取って良く乾かしましょう。
○ふきんも使い終わったら、良く洗いましょう。私は塩素系洗剤を水で薄めて30分置き良ーく、すすいで必ず天日干ししています。太陽が殺菌消毒してくれますよ。
さらにアイロンをかければ完璧です。
○冷蔵庫は10℃で冷凍庫は-15℃に保ちましょう。また食品を詰め込み過ぎないようにしましょう。
☆食品に関して
○生ものは控えましょう。特に夏場は気を付けましょう。しかし購入する時は新鮮な生鮮食品にしましょう。
○賞味期限を確認し、お肉の汁やお魚の水分が出ないように袋に入れましょう。他の食品に移らないようにしましょう。買って帰ったら素早く冷蔵庫に入れましょう。
○野菜は良-く洗い調理しましょう。
生野菜が食べたい!という時は綺麗な水で良ーく洗いましょう。土が付いていたら完全に洗い流しましょう。指でこすりながら洗うと、なお良いですね。
また野菜専用の洗剤が有るので使ってみるのも良いと思います。
他に次亜塩素酸ナトリウム水溶液(キッチン用漂白剤を溶かした水)と言う水道水の消毒にも使われている殺菌成分で洗うと言うもの毒菌を除去することができ良いですね。ただし
濃度が12%の次亜塩素酸ナトリウムを1200倍に薄めて使用するのと時間が経過すると除菌能力が落ちるので野菜を食べる直前に洗うのが理想的です。
そしてキッチン用漂白剤には、野菜の除菌に使えるものと使えないものがあるので注意してくださいね。
○調理した(75度以上で1分間以上加熱)食べ物は、なるべくその日の内に食べきりましょう。残してしまった場合は素早く冷ます為浅いお皿に移し冷蔵庫に入れましょう。
○調理した食品は長い時間常温で保存せずに冷蔵または冷凍保存しましょう。ただし冷蔵冷凍したからと言っても長期保存するのではなく、なるべく早めに使いましょう。
私は黒豆をガラス容器に保存し、蓋をしたから日もちすると思っていたら、1週間位でしたかカビていたのでビックリした事あります。
そして冷蔵冷凍から食品をだして食べる前には再度十分加熱しましょう。
○電子レンジを使う場合は熱を良く通しましょう。熱の伝わりが良くない時は再度レンジで良く加熱しましょう。
○冷蔵冷凍していても常温で日にちが経っていなくても、妖しい匂いや見た目ならば食べるのを止めましょう。迷ったら食べない!です。勿体ないけど捨てましょう。
お腹壊すよりは良いですよね。
☆生活するにあたって
○手洗いを良くしましょう。外出から帰った時や調理する前に薬用や殺菌作用のある石鹸を使い1分以上洗うと効果的です。
手のひら、手の甲、指の間、手首、爪の中に石鹸が行き渡るように手のひらに爪を立ててクルクルさせると1分位はすぐに経ちますし効果的ですよ。
○清潔なタオルまたはペーパータオルで水分を良く拭き取りましょう。家では家族1人一枚のタオルを使っています。
○爪は長くしないで短くしましょう。
○トイレはいつも清潔にしておきましょう。出来たら毎日掃除すると汚れも溜まらず良いと思います。私は毎日軽く掃除をして週に1度念入りに掃除しています。
○トイレ掃除や用を済ませた後は良ーく手を洗い良ーく洗い流しましょう。
○小バエやハエが食品に付かないようにしましょう。ラップをする。冷蔵庫に入れる。棚や引き出しに入れるなどしましょう。
○外出中もタオルやハンカチを持参して他の人と共有しないようにしましょう。
○O-157飲食物のように口から入ると感染しやすいので、ここを注意すれば大丈夫です。
○ペットが病原体を持っていることもあるのでペットを触ったあとは必ず手指を良ーく洗いしましょう。またぺットとキスをする事で感染することも少なくないので注意しましょう。
O-157に気をつけるため周りに患者がいたら
O-157になると血液混じりの下痢を繰り返すようになり、この時に菌が体外へ出ている状態になるので周りへの感染予防を徹底しないといけくなります。
○患者の便などはゴム手袋を着用するなどして衛生的に処理しましょう。オムツをしているこの場合も交換時気を付けましょう。終わった後は良-く手を洗いましょう。
○自分がトイレを使用した後も手洗いを徹底しましょう。
○患者さんはのお風呂は他の家族と一緒に入らず最後に入るようにしましょう。下痢をしていたらシャワーだけの方が良いでしょう。お子様を入れる時は一緒に入らず手袋をしてマスクもするとより安心ですね。
お風呂は毎日洗い(椅子や桶なども洗いましょう。)お湯も変えましょう。タオルは1人1枚にしましょう。
○患者の衣服やパジャマ、下着などは他の家族の物とは別にして煮沸や家庭用漂白剤に良くつけて消毒してから洗濯し、天日干しで十分に乾かしましょう。
○患者が触ったドアノブや便座、スイッチなどを拭きましょう。
○トイレのタオルはペーパータオルが理想ですが、ペーパータオルがなくてもタオルを共用するのは避けましょう。
○子供が通っている学校では学校保健法で、学校医などが校内での感染の恐れがないと確認できるまで校長が出停止を決定するので学校に相談しましょう。
○公用プール、温泉、公衆浴場などは消毒などの安全管理の対象となっているのと、大腸菌は塩素に弱く消毒しているので過剰に心配される必要ないでしょう。ただ家庭用のプールは患者さんと一緒は避けましょう。
お水も毎回変えましょう。
まとめ
O-157の症状の出方には発症したり、自然に治ったりと個人差がありますが、基本的に乳幼児や児童や高齢者が重症化しやすいと言われています。
特に集団生活を行っている幼稚園・学校などに通うお子様がいるお家のパパやママは日頃からの手洗いの徹底習慣化をして
お肉はよく加熱してから食べる生ものは、なるべく避けたり食べないなどの習慣を心掛けるのが大切ですね。
O-157を理解して十分気をつけましょう。
最後までお読み頂きありがとうございました。
コメント